COLUMN

障害福祉の「質」が問われる新時代へ。2026年報酬改定をチャンスに変える経営戦略

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持続可能な福祉の未来を拓く、2026年度「臨時応急措置」の正体と真意

■なぜ今、報酬が引き下げられるのか

日本の障がい福祉は、今、大きな岐路に立っています。厚生労働省が発表した「来年度からの基本報酬引き下げ」案は、福祉関係者のみならず、社会全体に大きな衝撃を与えました。

現在、障がい福祉サービスの費用は驚異的なペースで膨らんでいます。一昨年度は9.1%、昨年度は12.1%と、少子高齢化が進む日本において、これほど急激に伸びている分野は他に類を見ません。しかし、この「成長」は必ずしも喜ばしいものではありませんでした。

厚労省が問題視したのは、地域のニーズを無視した「安易な開設ラッシュ」です。特に、利益率(収支差率)が高く、参入障壁が比較的低いとされる「放課後等デイサービス」や「就労継続支援B型」などの分野で、福祉の理念よりも収益を優先する民間企業の参入が相次ぎました。その結果、必要な場所にサービスが届かない一方で、特定の地域には事業所が乱立するという「歪み」が生じています。

今回の措置は、2026年6月から施行され、「新しく作る事業所だけ報酬を下げる」という、極めて異例な形をとります。これは、既存の誠実な事業所を守りつつ、過剰な参入に強力なブレーキをかけるための、文字通りの「応急処置」なのです。


■福祉現場を蝕む「数」の論理/課題

現在の制度には、大きく分けて3つの課題が横たわっています。

1.サービスの質と報酬の乖離
高い報酬設定が、「支援の質」ではなく「利用者の数」を追うインセンティブになってしまいました。

2.不適切な囲い込みと営利主義
利用者の自立を促すのではなく、制度を維持するために利用者を引き止める「囲い込み」が懸念されています。

3.制度の持続可能性への不安
このままのペースで費用が増え続ければ、いつか制度自体が崩壊し、本当に助けが必要な人に支援が行き届かなくなります。


■厚労省が示す「三つの処方箋」/課題に対する取り組み

厚労省はこの危機に対し、以下の3点を柱とする取り組みを提示しました。

1.ターゲットを絞った抑制
収支差率が5%を超え、かつ事業所数が急増している4類型に限定して報酬を適正化します。

2.「臨時」という期間設定
今回の引き下げは来年度限りの措置とし、2027年度の本格的な報酬改定に向けた「検証期間」と位置付けました。

3.不適切事業者の排除
「ニーズを反映していない急増」を公に指摘することで、悪質な事業者への警告を発しています。

3.福祉は「質」の時代へ/取り組みに対して期待できること

今回の厳しい措置によって、短期的には参入が抑制されますが、長期的には以下のポジティブな変化が期待されます。

1.「本物」の事業者が残る環境
報酬が下がってもなお参入しようとするのは、高い志と効率的な経営基盤を持つ事業者です。

2.地域ニーズの再定義
単に「作れば儲かる」時代が終わり、自治体と連携した計画的な整備が進むようになります。

3.2027年度の抜本改革への布石
この1年間のデータ収集により、2027年度には「質の高い支援を行う事業所がより報われる」より精緻な報酬体系が構築されるはずです。


■利用者と家族が守られる未来のために

福祉は、効率だけでは測れない尊い仕事です。しかし、その尊さを守るための「財源」には限りがあります。今回の報酬引き下げは、一見すると厳しい冬の訪れのようですが、実は「福祉のブランド」を守るための必要な剪定(せんてい)なのかもしれません。

大切なのは、この制度改正によって、利用者の皆さんが受けるサービスの質が低下しないよう、社会全体で監視し、支えていくことです。2027年度、私たちは「数は足りているか」という議論を卒業し、「その支援は、その人の人生を豊かにしているか」という本質的な問いに、胸を張って答えられる社会を目指すべきです。


■対象4類型の激変と生存戦略

今回の改定は、過去に例を見ない「新規事業所のみを狙い撃ちした基本報酬の引き下げ」です。これは、特定のサービスが「過剰供給」かつ「高収益」であると国が断定したことを意味します。

1.対象4類型の具体的変更点(新規指定事業所が対象)

厚労省が示した要件(収支差率5%以上、過去3年の伸び率5%以上など)に該当した4つのサービスについて、それぞれの現状と変更のポイントを整理します。

① 就労継続支援B型

  • 現状: 一般就労が困難な方へ働く場を提供するサービス。近年、大規模な運営による効率化で高い収支差率を出す法人が急増しました。
  • 変更点: 新規指定時の基本報酬を一定割合引き下げ。特に「工賃」の支払額に応じた報酬区分において、参入初期の優遇措置が厳格化される見通しです。

② 共同生活援助(グループホーム)

  • 対象: 「介護サービス包括型」および「日中サービス支援型」。
  • 現状: 障害者の「住まいの場」として需要が高い一方、プレハブ形式やアパート一括借り上げによる低コスト運営が「ビジネス化」していると批判されました。
  • 変更点: 建物や人員体制に対する基本報酬の減算、または新規指定時の算定区分を低く設定する措置が検討されています。

③ 児童発達支援

  • 現状: 未就学児を対象とした早期療育。専門的な支援が必要な分野ですが、都市部を中心に事業所が乱立。
  • 変更点: 「個別支援」の質が問われないまま報酬を得ていた実態に対し、新規参入時の基本単価を抑制。

④ 放課後等デイサービス

  • 現状: 学童期の障害児支援。「預かり」に偏り、発達支援の質が伴わない事業所が増加。最も伸び率が高く、今回の改定の「本丸」と目されています。
  • 変更点: 延長支援や送迎などの加算を含めた「トータルでの収益性」が見直され、新規事業所はより厳しい経営判断を迫られます。

2.既存・新規事業者が取るべき「5つの対策」

報酬が引き下げられる中で、質の高い支援を継続するための具体的な対策を提示します。

① 「加算」の最大活用による収益補填

基本報酬が下がる分、専門的な職員の配置や、重度障害者の受け入れに伴う「加算」を確実に取り切ることが必須です。

  • 対策: 専門的支援加算、福祉専門職員配置等加算の要件をクリアするための採用・研修計画の策定。

② ドミナント戦略から「ニッチ・専門特化」への転換

「誰でも受け入れる」という薄利多売モデルは、今回の改定で最もダメージを受けます。

  • 対策: 「医療的ケア児対応」「強度行動障害対応」など、地域で真に不足している専門分野に特化し、価格競争に巻き込まれない独自のポジションを築く。

③ 経営の透明化と「見える化」

厚労省は2027年度の本格改定に向けて、事業所の収支状況をより厳格に監視します。

  • 対策: 財務状況だけでなく、「利用者がどう変化したか(アウトカム)」をデータで示す準備を始める。これが将来、高い報酬を得るための「エビデンス」になります。

④ 人材定着による「採用コスト」の削減

報酬引き下げ局面で最も経営を圧迫するのは「求人広告費」です。

  • 対策: 離職率を下げるための福利厚生の充実や、ICTツールの導入による業務効率化。現場の疲弊を防ぐことが、結果的に最大のコストカットになります。

⑤ 2027年度「本格改定」へのシミュレーション

今回の引き下げはあくまで「臨時」です。2027年度には既存事業所も含めた抜本的な見直しが予測されます。

  • 対策: 現在の収益構造が「基本報酬」に依存しすぎていないか点検し、自費サービスや他事業との組み合わせによる収益の多角化を検討する。

3.この取り組みに対して期待できること

これらの対策を講じることで、事業所は単なる「施設」から、地域に不可欠な「社会インフラ」へと進化できます。

  • 淘汰の波を勝ち残る強靭さ: 安易な参入者が去る中で、質の高い支援を行う事業所に利用者が集中するようになります。
  • 行政との信頼関係: 地域ニーズに合致した運営を行うことで、自治体からの指定更新や新規認可において有利な立場を確保できます。
  • 持続可能な福祉モデルの確立: 補助金に依存しすぎない、自律的な経営基盤が構築されます。

■報酬改定の荒波を越えるcare-baseによる次世代・障害福祉経営

基本報酬引き下げを「質の差別化」と「工賃向上」で跳ね返す具体策

2026年改定が突きつける「集客と信頼」の課題

2026年6月から施行される臨時応急措置。新規事業所の基本報酬が引き下げられる中で、運営側が直面する最大の壁は「コストを抑えながら、どうやって稼働率と支援の質を上げるか」という矛盾です。

これまでの「開設すれば利用者が来る」時代は終わりました。これからは、利用者に選ばれ、相談支援専門員に信頼される「情報の透明性」と、報酬改定の狙いである「持続可能性」を自ら証明する経営が求められます。ここで鍵を握るのが、福祉特化型プラットフォーム「care-base」のフル活用です。


■課題に対するcare-baseの具体的活用方法

1. 稼働率の最大化と「マッチングの精度」向上

報酬が下がる局面では、1日の空きも許されません。しかし、闇雲な営業は人件費を圧迫します。

  • 案件マッチング機能の活用: 相談員やケアマネジャーが登録した「紹介案件」に対し、自所の空き状況や支援内容をリアルタイムにぶつけることで、営業コストを最小化しつつ、ミスマッチのない利用に繋げます。
  • サービス提供エリア設定: 所在地以外の5ヶ所を登録することで、近隣エリアの検索結果にも表示。通所・在宅支援のニーズを広域から吸い上げます。

2. 「Workon」による就労B型の収益構造改革

今回の改定で対象となった就労継続支援B型にとって、工賃向上は避けて通れない課題です。

  • 作業受注のDX化: 「Workon」を通じて、企業から直接「施設内作業」や「施設外就労」を受注。従来の請負単価を適正化し、利用者の工賃を上げることで、基本報酬以外の「質の評価」で選ばれる事業所となります。
  • 企業実習先の提供: 就労移行支援事業所に対し、Workonを通じて「企業実習」の動線を構築。利用者の方の自立に向けた機能で就職実績という「圧倒的な実績」を作ります。

3. 事務コストの削減と「即時レスポンス」の実現

報酬減を補うには、バックオフィスの徹底した効率化が必要です。

  • チャット&WEB見学申込み: 電話対応を削減し、チャットで日程調整からファイル共有(アセスメントシート等)まで完結。既読機能により「連絡の行き違い」という福祉現場最大のロスを排除します。
  • フォロー機能とメルマガ: 福祉サービス絵を探しているユーザー(1.5万人)からのフォローされるとチャットでアプローチができる。ブログ・イベント・商品サービス投稿(活動風景など)をメルマガとしてフォローユーザーに自動配信し、SNS運用と広報を一体化させることで、広告費をかけずにファンを増やします。

4. リスク管理と「知の共有」による質の担保

「悪質な事業者」と一線を画すには、マニュアルの整備と事例共有が不可欠です。

  • レポート共有機能: 全国で共有される「ヒヤリハット」や「虐待対応」の事例を自所の研修に活用。非公開設定では自所独自のマニュアルとして共有でき、スタッフの異動や退職に伴う「支援の質の低下」を防ぎます。
  • アクセス解析による経営判断: 「どの年代が、どの時間帯にページを見ているか」を分析。ニーズに合わせたブログ投稿やイベント企画を行い、根拠のない「勘の経営」から脱却します。

■取り組みに対して期待できること

care-baseを導入し、今回の報酬改定を逆手に取った運営を行うことで、以下の成果が期待できます。

「選ばれる理由」の言語化
設備や支援内容、募集状況がPDFで即座にダウンロード可能になり、相談員が「紹介しやすい」事業所になります。

グループホームの近隣トラブル回避
「住所一部非表示機能」を活用し、プライバシーを守りながら、WEB上での集客を両立。運営リスクを最小化します。

2027年度改定への先行対応
厚労省が求める「経営の透明性」と「地域連携」をプラットフォーム上で体現しているため、次回の抜本改定時にも優位性を保てます。

最後に

2026年度の改定は、障がい福祉業界の「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を強制的に加速させる引き金となります。care-baseを活用することは、単なる効率化ではありません。それは、利用者の人生に真摯に向き合うための「時間」を創出し、経営の「安定」を勝ち取るための、現代の防衛策であり攻撃策でもあります。

報酬という「公助」が減るならば、care-baseという「共助・公助のプラットフォーム」を使い倒し、自律した強い経営を今すぐ開始しましょう。

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